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東洋医学科
診療科紹介
西洋医学が得意とする疾患?病態がある一方で、不定愁訴?慢性化した症状?多くの病態?症状の重複などは漢方医学が力量を発揮しやすい分野です。当外来は「現代医療の診療を尊重し、その上で漢方医学の利点を生かした治療を行うことをモットーとしています。すなわち現代医療のなかで漢方治療の効果をよりよく生かす」という基本姿勢で診療に励んでいます。
診療体制
現在は外来診療で、火曜日から金曜日(いずれも午後)、隔週土曜日(午前)のみの診療です。院内往診も各科依頼により適宜行っています。漢方医学の基本理念?診察法?診断に基づいて、社会のニーズに即した漢方医学と西洋医学の相互補完性を認識した全人的医療を行います。
漢方医学は日本の伝統医学です。米国食品薬品管理局(FDA)は、伝統医学には独自の文化的バックグラウンドがあり、人間そのものの治癒能力を重視した独特な治療方法を確立し、実践的な体系を持っている、として評価しています。
診療方針
「現代医療の中で漢方治療の効果をより生かす」という基本姿勢で診療を行っています。具体的には、
- 診断と経過観察は現代医学的に厳密に行うこと
- 客観的な効果の判定と臨床成績の蓄積を行うこと
- 治療は漢方医学的な診断と理論に基づき漢方治療を第一選択とすること
- 使用薬剤は医療用漢方製剤を用いて行うこと
- 必要があれば他科との併診を行うこと
特徴的な診療領域
漢方治療の特徴は、人間の身体を一つの有機体とみなして治療することです。近年、疾病構造の変化、すなわち人間を苦しめる疾患に変化が生じています。感染症が日本の死因の大部分を占めていた時代から、数種類の疾患をあわせ持つ高齢者の増加、生活習慣病、ストレスが心身に及ぼす影響による疾患?症状の増加が特徴といえる時代になりました。そこで人間を部分的に分析的に見る西洋医学だけでは治療に難渋をきたすようになってきました。このような理由などから我が国における漢方治療の位置づけは大いに見直されてきています。主な対象疾患
- 西洋医学的治療に反応が乏しい例
- 西洋薬で副作用を現した例
- 検査上は正常であるが愁訴のある例
- 一人で複数の疾患を抱える高齢者
- 生活習慣病
- 不定愁訴を訴え心身症傾向の強い例
- 体力が低下した人のQOL向上を目指す例
より細かな診療内容や特色の詳細
漢方治療は西洋医学的な病名に対して薬を出すのではなく体質、体型、病気に対する抵抗力、自覚症状などを目標(証)に処方を決定します。西洋医学的治療でなかなか改善しない方、西洋薬で副作用を現した方、検査上は正常であるが愁訴のある方に適しています。また、西洋医学との併用も可能です。スタッフ紹介
医師名 | 役職 | 専門分野 | 資格 |
石野 尚吾 | 客員教授(生理学講座生体制御学部門) | 産婦人科および内科一般 | 日本東洋医学会認定漢方指導医?漢方専門医、日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医 |
堀部 有三 | 兼任講師(内科学 脳神経内科学部門) | 神経内科領域および内科一般 | 日本東洋医学会認定漢方指導医?漢方専門医、日本神経学会認定神経内科専門医、日本内科学会認定内科医 |
岩波 弘明 | 兼任講師(生理学講座生体制御学部門) | 神経内科領域および内科一般 | 日本神経学会認定神経内科専門医 |
石野 博嗣 | 兼任講師(生理学講座生体制御学部門) | 産婦人科および内科一般 | 難病指定医、日本医師会認定産業医 |
渡辺 大士 | 助 教(内科学 脳神経内科学部門) | 神経内科領域および内科一般 | 日本神経学会認定神経内科専門医 |
齋藤 充生 | 兼任講師(生理学講座生体制御学部門) | 消化器科および消化器外科および内科一般 | 日本外科学会認定外科専門医?指導医、日本消化器外科学会認定消化器外科専門医?指導医、日本消化器内視鏡学会認定消化器内視鏡専門医?指導医、日本消化器病学会認定消化器病専門医、日本ヘリコバクター学会ピロリ菌感染症認定医、日本医師会認定産業医 |
奥茂 敬恭 | 講 師(生理学講座生体制御学部門) | 整形外科および内科一般 | 日本整形外科学会認定整形外科専門医 |
外来担当医表
東洋医学科
医療従事者の方へ
研究内容
(1)疼痛性疾患に対する漢方薬の効果についての調査(2)各種ストレスモデル動物を用いた漢方薬(抑肝散、加味逍遙散、加味帰脾湯など)、鍼治療の効果の検討
(3)変形性関節症モデル動物を用いた漢方薬(防己黄耆湯)の効果の検討
(4)各種疼痛モデル動物を用いた漢方薬(抑肝散)、鍼治療の効果の検討
(5)アレルギー性鼻炎に対する漢方薬(小青竜湯)の作用機序の検討
診療実績
外来患者数2022年度 | 834名 |
2023年度 | 775名 |
医療連携?紹介制度について
昭和大学東洋医学科は(一般社団)日本東洋医学会の研修施設に指定され、指導医に石野医師と堀部医師が指名されています。東洋医学科では全ての症状?病態を扱いますが、西洋医学的領域はカッコで示します。毎週火曜日午後担当=渡辺 大士(脳神経内科?内科一般領域)
毎週水曜日午後担当=石野 尚吾(産婦人科?内科一般領域)
毎週水曜日午後担当=奥茂 敬恭(整形外科?内科一般領域)
隔週木曜日午後担当=堀部 雄三(脳神経内科?内科一般領域)
隔週木曜日午後担当=石野 博嗣(産婦人科?内科一般領域)
毎週金曜日午後担当=齋藤 充生(消化器科?消化器外科?内科一般領域)
隔週土曜日午前担当=岩波 弘明(脳神経内科?内科一般領域)