井上達貴助教が第40回泌尿器科漢方研究会学術集会で優秀演題賞を受賞

受賞?表彰#医学部

井上達貴助教(医学部泌尿器科学講座)が、第40回泌尿器科漢方研究会学術集会(2024年6月22日:神戸ファッションマート)において、演題名「ハンナ型間質性膀胱炎(HIC)モデルラットに対する漢方薬の抗酸化?鎮痛作用と臨床での使用経験」で、優秀演題賞を受賞しました。
泌尿器科漢方研究会は、泌尿器科領域の疾患治療手段のひとつとして漢方療法を試み、その成果を共有することで、泌尿器科領域の総合的発展に寄与しています。

井上達貴講師のコメント

この度は大変栄誉ある賞を頂き、光栄に存じます。本研究は、泌尿器科学講座と生理学講座生体制御学部門との共同研究であり、医学部生理学講座生体制御学部門の砂川正隆教授、塚田愛講師(統括研究推進センター)、また、泌尿器科の深貝隆志主任教授、角川義樹助教をはじめ、多くの先生方にご支援をいただきました。
当講座は、間質性膀胱炎に対して漢方薬?抑肝散を使用することがありましたが、その作用機序は明らかにされておりません。臨床では間質性膀胱炎に対して2021年4月に、抗酸化作用を有することが知られているジメチルスルホキシド(DMSO)の膀胱注入療法が保険適応になりました。また、漢方薬自体にも抗酸化能があることに着目しました。生体制御学部門は各種疼痛モデル動物の作製を得意としていることから、間質性膀胱炎モデルラットを用いた共同研究を行い、抑肝散の間質性膀胱炎に対する有効性および、作用機序の一端として抑肝散の抗酸化作用の関与を検討しました。その結果、間質性膀胱炎の発症あるいは増悪に活性酸素種が関与していること、抑肝散が有用な治療薬になりうることが示唆されました。
本研究が高い評価頂いたことを嬉しく思うと同時に、ご尽力いただいた先生方にこの場をお借りして御礼申し上げます。本当にありがとうございました。
井上先生サムネ左から深貝隆志主任教授、井上達貴助教、神戸医療センター大岡均至泌尿器科部長(当番幹事)