薬局紹介

薬局長挨拶 

 薬局では、医薬品の適正使用(患者さんの状況に応じた最適な薬剤選択、適切な用法?用量)を推進し、それに基づいた処方薬を患者さんに十分に理解して使っていただくこと、さらには、その効果や副作用を評価し、次の処方にフィードバックすることを使命としています。
 薬剤管理指導業務はすべての診療科で実施し、入院患者の持参薬確認、服薬指導および処方内容の確認?妥当性の評価のみならず、多職種チームカンファレンスに参加し、最適な薬物療法を提案しています。薬剤師がメディカルスタッフと協働し、「患者さん中心の医療」に取り組んでいます。

薬局長
和田 紀子

概要案内

スタッフ

2024年7月現在
薬剤師数:8名
臨床研修薬剤師:0名
パート薬剤師:1名

認定者数及び業績一覧

日本医療薬学会専門薬剤師:1名
小児薬物療法認定薬剤師:1名
妊婦授乳婦専門薬剤師:1名
日病薬病院薬学認定薬剤師:6名
日本薬剤師研修センター 研修認定薬剤師:1名
認定実務実習指導薬剤師:3名
緩和薬物療法認定薬剤師:1名
緩和医療暫定指導薬剤師:1名
日本骨粗鬆症学会マネージャー:1名
日本アカデミック?ディテーリング認定薬剤師:1名

業務紹介

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調製

調剤

調剤業務では入院患者さん、ならびに外来患者さんの薬(内服薬、外用薬、一部の注射薬)の調剤を行っています。薬剤師は医師が処方したお薬について適応?用法?用量が適正か、飲み合わせに問題がないか、複数の診療科からお薬が重複して処方されていないかなどを確認し、疑問点や問題点などの疑義は必ず医師に照会しています。電子カルテと連動したオーダリングシステムや人的ミスを未然に防ぐシステム(院内物流システム:マックヒル)を用いて調剤し、患者さんに適切で安全に処方薬を提供できるように努めています。また、個々の患者さんに合わせたお薬を提供するために、お薬の管理や服用しやすい工夫(錠剤を粉薬へ変更、食事などの服用のタイミングに合わせたお薬の一包化など)も併せて行っています。さらにハイアラート医薬品(副作用や健康被害に特に注意が必要で、安全管理のため薬学的管理の関与が必要な医薬品)については適切な患者さんに投与されているのかを必ず確認し、有効?安心?安全な薬物療法に繋がるよう務めています。

注射

注射業務では、処方された注射箋の内容(適応?用法?用量など)が適切であるか、また2種類以上の注射薬の混合に対する配合変化や、同時に使用することで相互作用に問題がないか等を確認します。
薬剤師が確認済みの注射箋は、院内物流システム(マックヒル)にて全医薬品をバーコードスキャンで照合し、取り揃え、1回分毎に、病棟?外来に供給します。
また、抗がん薬を使用する治療では、過去の治療歴を含めて、治療方法が事前に申請?登録されたレジメン(投与予定表)に準じているのか、使用期間?投与量?休薬期間に誤りはないか等を確認します。
手術時に使用される注射薬はセット化し、手術室へ供給?管理しています。

製剤

製剤業務では、主に以下の業務を行っています。

1.院内製剤の調製
「院内製剤」とは病院内で使用されるために作製される薬剤の事で、治療上市販の医薬品では適用できない場合に院内製剤を用います。その使用にあたっては、科学的?倫理的な妥当性を十分に吟味され、また使用する前には患者さんに説明し、同意を得たのちに投薬することになっています。当院で取り扱う院内製剤のうち、特に注射薬や点眼薬に加え、点鼻?点耳?吸入薬などは無菌性が求められるため、クリーンベンチを用いて無菌的に調製します。

2.TPN(高カロリー輸液)の無菌調製
TPNは食事が摂れない患者さんに栄養を注射の形で補給するための輸液です。製剤室では既製品で対応しづらい患者さんのTPNを医師から依頼を受け、クリーンルーム内でクリーンベンチを用いて無菌的に調製しています。二種類以上の注射薬を混合することから混合時の細菌混入や、混合による配合変化にも細心の注意を払って調製業務を行っています。

医薬品管理

医薬品情報管理室

医薬品情報管理室では、患者さんに最も有効かつ安全な治療を行うための情報を収集?評価?加工して提供しています。
主な業務内容
  1. 医薬品に関する情報収集?評価?提供に関すること
  2. 副作用調査及び報告に関すること
  3. 昭和医科大学フォーミュラリ作成及び改訂に関すること
  4. 質疑応答及び経過転帰の情報収集と提供に関すること
  5. 昭和医科大学医薬品集の更新及び整備に関すること
  6. 薬事委員会資料作成に関すること(新薬のヒアリング含む)
  7. 未承認医薬品、適応外使用等の情報収集及び評価に関すること
  8. 研修生及び実務実習生の教育に関すること

薬事

薬事は、院内における医療用医薬品の品質管理?安定供給を通して、円滑な薬物療法を支える役割を担っています。

薬事委員会への関与
有効性、安全性の確保及び医薬品購入費抑制の観点から、附属施設間での採用薬統一、及び採用品目抑制は病院全体の重要な課題となっています。したがって、新規医薬品の採用?削除、及び後発医薬品?バイオシミラーへの切り換えなどは、薬事委員会における慎重な討議を経て決定されます。薬事は本委員会の運営に関わるほか、医薬品情報管理室と連携して委員会資料の収集?作成を行っています。

医薬品在庫管理
医薬品在庫管理は、使用状況、出荷調整?回収といった流通状況を把握したうえで、柔軟な対応が求められます。診療に必要な医薬品が滞りなく使用できるよう発注?入庫?払出を行い、医薬品在庫の適正管理に努めています。また、向精神薬?毒薬等の管理薬は、毎日の払出を記録し、院内物流システムを用いて在庫を確認しています。


治験薬管理
製薬会社が開発する新しい薬は、厚生労働省の承認を受けるために試験が行われますが、これを治験といいます。当院で実施している治験について、治験薬管理部門では以下の業務を行っています。
①治験実施計画書(プロトコール)の治験薬管理手順に沿った治験薬の保管管理を行う
②治験薬の納品受領及び、使用済や試験終了の治験薬を治験依頼者(製薬企業)へ返却する
③治験関連文書(治験薬管理表?治験薬受領書?返却書?その他保管必須とされる文書等)に記録を行い、保管管理する
④治験を遂行するために、治験コーディネーター(CRC)や院内の各部署(外来診療科、外来処置室、腫瘍センター、病棟など)と連携を図り、運用手順を確立する
⑤治験薬(内服薬、注射薬等)の処方セットを電子カルテに登録する
⑥がん治療に係わる治験では、被験者の安全管理のために必要な治療内容(レジメン)に基づき、電子カルテにセット登録する
⑦薬剤師が統一した治験薬の取り扱いを行うために、プロトコールに準じた薬剤部内の手順を確立する
⑧当院の採用医薬品(内服薬?注射薬?外用薬等)の中から併用禁止となる医薬品を抽出し、電子カルテと調剤支援システムにおいて処方制限を設定する
⑨被験者毎にオーダされた治験薬の調製(内服薬?外用薬の調剤、注射薬の混注など)を行う
⑩治験依頼者(製薬企業)による直接閲覧等の対応を行う
治験薬保管庫
保管庫内の温度管理
治験薬の払い出し例



薬剤管理指導
病棟薬剤師は、医師や看護師など多職種で協働して、患者さんが入院されてから退院されるまで、すべての薬物治療に携わっています。当院では、入院棟?中央棟?救急センターを含むすべての病棟に病棟薬剤師を1日体制で配置しています。
入院時は、全患者さんに対して、これまで使用していた薬剤やご自宅での管理状況などの確認を、入院中は服薬説明、治療効果や副作用の有無などの確認をしています。また、医薬品情報管理室と連携して、医薬品の情報提供や様々な状況での他の職種からの問い合わせに対応しています。さらに、薬物治療が病棟薬剤師個々の能力に左右されることがないよう、定期的に薬剤師間で相互に薬物治療の監査をしています。
また、実際の患者さんの容態を把握し、その薬物治療を担った結果として、薬物療法専門薬剤師の資格を取得できるよう日々研鑽をしています。
このように、薬剤師はその専門性を生かしながら、多職種と協働して、患者さんに最善の薬物治療を受けていただけるよう努めています。