社会健康薬学講座 社会薬学部門
講座紹介
医療の進歩に伴い、医療の担い手である薬剤師への期待や、求められる役割も大きく変化してきています。また、国民一人一人がより良き生活を送るために、地域医療が非常に重要な役割を担ってきています。そこで薬剤師は、これまでの調剤中心とした業務のみならず、薬剤師自らが動き、地域と密着した新たな立ち位置を見出す時代に入っています。それには、薬学の基礎知識を理解していることが必要不可欠となりますが、医療を取り巻く法律や制度を理解し、何より世の中の出来事に興味を持つことも重要です。それらは世の中にとって非常に重要なこととなるため、世の中に向けて発信することで、これからの薬局?薬剤師があるべき姿を提示することにつながり、薬剤師が活躍できる新たなフィールドを示すことが可能となります。本教室では、地域医療に関連するテーマについて、問題点や解決策の探索、文献調査、現場におけるデータ収集?解析等を行います。動物や薬品を使った実験ではなく、現場での調査やデータの解析が主な活動です。教員と相談しながら自分で研究の方法や方向性を考えて進めることもできます。また、興味のある現場に足を運び、自分の目で現場を見ることで問題点の探索を行うことも可能となります。
学生の皆さんには、研究を通して現場の問題点を見出し、問題解決の方策を自ら提案できるようになることを目標としています。CBTやOSCE、国家試験へと向けた勉学へのサポートも行っています。少人数ですが、アットホームな教室ですので、ぜひ立ち寄ってみてください。薬学の立場から地域医療に貢献し、社会に役立つ研究を共にしていきましょう!!お待ちしています。
教室の研究テーマの概要
薬局が「かかりつけ薬局」として地域医療に貢献するためには、以下のことができるようになる必要があります。- 医薬品の適正使用における患者QOL向上への貢献
- 最少薬剤による最適な薬物治療達成への貢献
- 薬剤価格や薬剤費の適正化等、社会保障制度の健全な運営への貢献
- 国民のセルフケア支援
- 在宅医療?在宅福祉への参画
- 医療廃棄物や不要医薬品の回収?廃棄
- 地域社会への貢献
(日本薬剤師会 薬局のグランドデザインより抜粋)
具体的なテーマ例
一般用医薬品の適正使用に関する研究
- 便秘薬(一般用医薬品)の使用状況調査および適正使用に必要な環境の探索(H23年度4年生、H24年度6年生)
- 市販の便秘薬の使用状況調査および適正使用に必要な環境の探索(H24年度4年生)
- 一般用医薬品購入時の薬剤師との対面販売の経験の有無による患者背景の違いの調査(H24年度4年生)
- 睡眠改善薬に関する消費者の現状および販売時における薬剤師のかかわり
- かぜ薬購入時における禁忌?慎重投与の確認状況および排尿障害悪化の出現状況調査
- セルフメディケーションの実践プロセス:感冒薬服用による排尿障害経験者を対象とした質的研究
- 一般用医薬品の適正使用が実践できる薬剤師になるための卒後教育とその効果(H21~23年度4~6年生)
医療用医薬品の適正使用に関する研究
- 薬剤師による在宅療養患者の排便コントロール向上を目指したシステムの構築(H23, 24年度4年生)
- 在宅医療に携わる薬剤師に必要な卒後教育プログラムの検討および立案(H24年度4年生)
- 外来患者に対する適正な投薬方法に関する研究:外来受診前における薬学介入の効果
講座員?研究業績
教員(専任)
役職 | 氏名 | name | 研究業績 |
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教授 | 岸本 桂子 | Kishimoto Keiko | researchmap |
講師 | 赤川 圭子 | Akagawa Keiko | researchmap |
助教 | 熊木 良太 | Kumaki Ryota | researchmap |
助教 | 宮﨑 ひとみ | Miyazaki Hitomi | researchmap |